私が映画プロデューサーを目指した原点ですが、実は岡山朝日高校の講堂です。
先日、十数年振りに立ち寄ったところ、その講堂が目に飛び込んで来ました。正直な話、心の中で「もう取り壊されているんだろうな」と勝手に思い込んでいただけに大感激です。もっとも耐震の関係で今は使われていないそうですが。
高校時代、応援団にいました。一年生の後半は幹部候補生。指示一つで動くのが重宝され、文化祭の時は裏方でした。
ピアノの出し入れやその他諸々、先輩の指示通り、右に左に。私どもの待機場所は講堂舞台袖でした。
その時です。
舞台袖のカーテンの隙間から観客席が見えました。当然、客席は暗がりなのですが、大勢の方々が真剣に舞台を注視していました。その瞬間、〈ゾクゾク〉としました。えもいわれぬ緊張感。その時、「これを仕事に出来ないかな?」と考えました。
紆余曲折ありましたが、三十数年の時を経て故郷に映画プロデューサーとして戻れた数日は至福の時でした。
上映期間が短く(3月20日まで)、機会が少ないのは残念かつ申し訳なく思っています。しかし、ご興味をお持ちになりましたら映画「天心」を是非ご覧ください。
また、末筆になりましたが、快く出演してくれた同期の柚木佑美(本名 水田裕子)さん、並びに我が事のように飛び回ってくれた54同級生の皆の友情に心より感謝申し上げます。
映画「天心」 プロデューサー
河本隆
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