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国内で活躍する同窓生(敬称略)
末丸 秀二 (昭和 63年卒)    香川県三豊市在住

今年、母校・朝日高校入学からまる四半世紀が経過!

 卒業生の皆様、お元気にされてますでしょうか?
 在学中、たいへんお世話になった恩師の先生方、永らくお会いできず失礼しておりますが、ご健在でいらっしゃるでしょうか?

 同級生の皆さん、この4月で、朝日高校の門をたたいてちょうど四半世紀が経過しました。改めて時間が経つのは早く、まさしく『光陰矢の如し』だと実感しております。

 高校時代に私は生徒会長を務めさせていただいたこともあり、朝日高校に対しては、特別な思いがあり、今も人生の根源は、朝日高校の学生時代にあるような気がいたします。

 朝日高校出身であることをたいへん誇りに思っております。毎年、甲子園の高校野球中継シーズンは、朝日高校時代のことが頭をよぎり、高校生に戻った気持ちになり、大変なつかしく感じます。

 5年前から私は香川県西部(西讃地区)に位置する人口7万足らずの三豊市内(4年程前に平成の大合併で7町が合併して誕生)にある浦島伝説で有名な町(旧:詫間町)の公立病院の精神科医として地域医療(とくに心の病やもの忘れの病気などの治療)に携わっております。

 ここは、生まれ育った岡山市と比べてかなり田舎で、農業で生計をたてている人も少なくなく、全国平均よりも超高齢化が進んでいます。赴任したときからこの町の人々の温かさや町の独特的なのんびりした時を忘れてしまいそうな「癒やし」を感じているところです。

 新聞、テレビ、ラジオなどのマスメディアにも取り上げられているとおり、最近では、「うつ病」「認知症」の患者さんの受診が多く、日々診療をしていても、この2つの病気が増えていると目に見えて感じられます。これは、社会システムの複雑化によるストレスの増大、長寿大国化などが起因しているように思えます。

勤務先の永康病院 竜宮城を形どった市営バス停看板

 また、近年、アメリカ震源の世界不況による雇用問題による貧富の差など、社会が不安定で先行きの不安の問題も関係しているように思われます。この町(三豊市詫間町)だけの問題とは思えないのですが、子供が遠く県外に出払って生活している高齢者夫婦、独居老人の世帯が意外に多く、大病を患った後のケアについて家族協力が得られないケースに直面することです。

 今後、さらなる高齢化が進み、前記のケースが増えてくることでしょう。公立病院であるため市役所の職員と連携しながら対処していますが、先行きのことを考えると末恐ろしくなります。

 公立病院に勤務している関係で、市役所から「心の病」もみられる産業医の要請があり、市の誕生時から市役所職員の産業医も担当しています。また、近年、メンタルヘルス(心の健康)の問題が増大しているため、私の提案で職員メンタルヘルスセンターを開設して相談に対応しています。

浦島さん・乙姫さんと我が娘

詫間町・紫雲出山

 全国では、ここ10年間以上、自殺者数が3万人を超え、異常事態が続いています。自殺対策基本法が制定されて以来、国のほうも力を入れており、今年度から国家公務員のメンタルヘルス研修時間を増やすなど対策をとっているようですが、実を結ぶまで困難な険しい道のりが続きそうです。

 自殺対策としては、当事者のいつもとは違う言動などのサインを見逃さず、適切な対応、相談機関への紹介が必要と思われます。「心の病」をみている産業医としても、自殺対策を含むメンタルヘルス問題に対して社会全体で支えあって、考えないといけない重大な課題であると思います。

 将来の母校の朝日高校の発展を祈願して、終わりの言葉とさせていただきます。

三豊市立永康病院 精神科・心療内科・神経科医長
  (兼)三豊市職員産業医
  (兼)三豊市職員メンタルヘルスセンター長
                末丸 秀二  (昭和63年卒)


 

   
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