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世界で活躍する同窓生からのメッセージ(敬称略)
前田亜希子  (平成9年卒) ドイツ

ドイツ、フランクフルトより

クリスマスマーケット:毎年12月5日頃から22日頃までレーマー広場で
開催されます。マーケット名物の『グリューワイン』を飲んで体を温めます。

 私は朝日高校を平成9年に卒業しました。あれから既に13年の月日が流れようとしています。そして、私のドイツ生活も丸3年を迎えました。

 私は、一日約15万人、約600便が行き交うフランクフルト・アム・マイン国際空港でANAの地上係員として毎日、日本から300人近いお客様をお迎えし、また300人近いお客様を日本にお送りしています。そのお陰で、遠く離れたドイツでも毎日“日本”を感じられています。

 フランクフルトはニューヨーク、ロンドン、東京に次いで世界第四位の取引高を誇るフランクフルト証券取引所や大手銀行の本店があるドイツ金融の中心地です。また、メッセと呼ばれる見本市も盛んに行われ、特に毎年秋に開催される「フランクフルト書籍見本市」は国際的に出版業界の重要な行事として知られています。

 一般的にドイツの食べ物、飲み物と言えば、「ソーセージとビール!」と思われがちですが、実はドイツの白ワインはかなり美味です。

 フランクフルトから程近い場所に、ワインの醸造で有名なリューデスハイムという町があります。この町はライン川渓谷中上流部に位置し、そこはユネスコの世界遺産にも登録されています。山の斜面一面にはブドウ畑が広がり、ライン川を見下ろしています。

ANAの飛行機: 毎日往復合わせて約600人のお客
様を乗せて飛びます。
 私自身、ドイツにいながらにしてビールが苦手な為、必然的にワインを飲むことになります。ドイツに来たばかりの頃は、ワインの味がいまいちわからず、食事も大味で量も多かった為、食に対する楽しみがありませんでした。しかし、今となってはドイツの白ワインが大好きで、食事の際は必ず飲んでいます。

フランクフルト空港: 出発便のボード

 最近では、味や種類が少しずつわかってきて、より楽しめるようになってきました。日本ではドイツワインがあまり出回っておらず、手に入りにくい為、ドイツにいる間に思う存分楽しんでおこうと思います。

 前述したように、フランクフルト国際空港を利用する旅客が多いのは、ドイツにおける最大の空港であり、ドイツ最大の航空会社であるルフトハンザが本拠を置く空港という理由が一つあります。

 ルフトハンザはヨーロッパ全土に就航しており、そのお陰で私も様々な国に、何の不便もなく旅行することができています。例えば、日本から半日以上もかけないと辿りつけないフランスにも、セールの時期にその目的だけで一泊で出掛けたり、アイスホッケーの試合を見る為にスロヴェニアに行ってみたりと、日本にいると到底できないような贅沢をさせてもらっています。

レーマー広場: フランクフルトの観光地の一つ。絵本
から飛び出したような建物が並んでいます。

 ヨーロッパは陸で繋がっていて一つの大陸のようではありますが、国境を越えると言葉も全く違い、建物も人の雰囲気も全く別ものになる光景は、何度見ても、本当に不思議でなりません。また、それもヨーロッパを旅行する一つの醍醐味でもあります。

冬のフランクフルト: 冬は太陽が出る日が非常に少な
く、気温もあがりません。

 ドイツに来る以前は、私は関西国際空港で同じくANAの地上係員として働いていました。地上係員になるのは高校生の頃からの夢であり、その職に就けたことを本当に幸せに思います。関西空港にて約4年働いた後、ドイツにやってきました。

 就職した当初から「海外で働きたい」という思いがあり、常に機会を探していたものの、なかなか恵まれませんでした。

 丸3年を過ぎた頃、募集要項を偶然Japan Timesで見つけ、応募だけでもしてみようと履歴書を送ったのが始まりで、今、こうしてドイツで働いています。空港では、毎日、様々なことが起こります。

七夕: 海外空港での浴衣姿は、日本人のお客様にも大変喜ばれ、大人
も子供も短冊に願い事を書いていかれました。(筆者右端)

 今となっては、少々のことでは動じなくなってきましたが、一筋縄ではいかないことも、チームで乗り越えた後の達成感といったら、一言では表現できません。また、この仕事を何年やっていても、お客様からの「ありがとう」という言葉は、格別です。それ故、日本より厳しい海外の環境で辛かったり、心が折れそうになったりすることがあっても、「やっぱりこの仕事が好きだな、辞められない!」って思います。

 この仕事を目指すきっかけになったのが、英語が好きだったという理由からです。大学でも英語をより勉強できる学科に進もうと、受験の際には先生方から様々なアドバイスをして頂きました。今の自分があるのは、あの時の先生方のアドバイスのお陰です。本当に感謝しています。

 今の私の生活は、朝日高校の時間をなくしては語れません。そんな大事な3年間を共に過ごした友人達に、今年の1月に同期会で再会でき、本当に貴重な時間を過ごすことができました。新しく生まれ変わった朝日高校の校舎に、いつか会いに行くことができる日がくればいいな、と思っています。


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