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10年前の私
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思い起こせば入学式で、初めての革靴と角帽を身に着け、希望に胸を膨らませ、桜の咲く正門をくぐってから、44年の月日が経過したなど、誰が信じられようか。
周りの友人達と違って勉強した覚えはあまりなく、普通科と言うより吹奏楽部金管楽科を卒業し、大学でもJAZZ CLUBでトランペットばかり吹いていたような気がします。
同期では、クラリネットを吹いていたM野U司君がプロのSAX奏者として、東京を中心に活躍しているようです。
T大法学部から裁判官になったK馬君、弁護士になったM嶋君、KO大からクラボウの社長になったIN上君、彼とは今も近所で昔と同様の付き合いをしている。
卒業以来会っていない、自慢の長い髪をかき上げていたG司哲三君、どうしているのだろう。バスケ部のイケ面NO2とNO3のS藤JIN君、5、6年前の同窓会で<どちらサン>とのたまった。M田N樹君はしっかり覚えていてくれたのに。
当時はいつもお腹をすかせていました。1時限目から教科書で隠して弁当を食べ、2時限目の後の15分の休憩時間には、全力疾走でうどん場と呼んでいた食堂へ走り、余裕で2杯をたいらげました。
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パリ市庁舎 |
クラブ活動が終わってからは、古京町にあった十富屋と言うパン屋で餡パンやコッペパンをよくぱくついたものです。それでいて今よりも10数キロ体重が少なかったのだから人体の不思議です。
若い時、三高(高学歴、高収入、高身長)では決してなかった私も、いまではりっぱに三高(高血圧、高脂血、高血糖)となりました。半年に一度の身体検査もぎりぎりクリアの状態です。
30年前から始めたテニスにはすっかりはまってしまい、今ほど仕事が忙しくなかった為、多いときには週に5日、休日は一日12時間もコートに立っていました。
40代後半からは、教官業務で単身での東京生活となり、テニスの回数も減り、食生活も偏り、運動とタバコをやめてからはいっきに前述の三高が進んでしまいました。
さて、現在私は子供の頃から決めていたエアライン(ANA)の機長としてヨーロッパ線をメインに東南アジア、国内の主要路線を飛んでいます。
機種はこの20年、新、旧タイプのボーイング747型機に乗務しています。1990年代は花形機として、世界中を飛んでいましたが、昨今の燃料費の高騰から、主役の座を777型機に譲りつつあります。
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ノートルダム寺院 |
折角の機会なので、BOEING747-400型の一口知識と、海外旅行の簡易ガイド(紙面の関係でヨーロッパ限定)について述べて見ましょう。
#BOEING747-400の一口知識
- 長さ60m,幅70m,高さ18m.旅客数、国内線569席、国際線約320席。
- 最大離陸重量(国際線機) 378トン
- 最大搭載燃料(同上) 150トン、(ドラム缶で約1100本)
- 航続距離 12500km
- 推力=馬力換算で、約10万馬力、=戦艦大和と同じ。
- 離陸時のフルパワー時は1分間にドラム缶1本の割合で燃料を消費する。
次に、ヨーロッパの一口コメントです。
#パリ〜
なんと言っても町並みと建造物の美しさが素晴らしい。比較的近くにあるヴェルサイユ宮殿、少し遠方になるが、ロワール地方の古城群、世界遺産のモンサンミシェルなどは必見のアイテムである。
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旧東独 クヴェトリンベルク |
#ロンドン〜
歩いて廻れる範囲内にSPOTが集中している。市内も良いが、カントリーエリアが美しい。レンタカーを借りて田舎道を走るべきである。下街の老人(コックニー)の話す言葉は世界一難解である。とても英語とは思えない。
#フランクフルト〜
街が比較的新しく、見るべきものはあまりない。しかし、一歩街の外に出て、地方の街に行くとこれは素晴らしい。
温泉保養地であるバートホンブルク、ウイースバーデン、バーデンバーデン、(これらは街並みも美しく、日本の高級銭湯のような温泉も幾つかあり、その奔放さには度肝を抜かれる。いまどき混浴ですぞ、御同輩。)
少し足を延ばして哲学の街ハイデルベルク、ロマンチック街道の街アウグスブルグ、世界遺産に指定されているゴスラー、クヴェトリンベルク、ドレスデン、どれも素晴らしいの一言に尽きる。
私のような車好きにはレンタカーを借りて、アウトバーンを走ってみる事をお勧めします。私の一押しの国がドイツです。
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独 ゴスラーにて花の5人娘に囲まれて |
#ローマ〜
独特の奮囲気のコッロセオ、キリスト教の総本山ヴァチカン、世界一の寺院建築である。1DAY TRIPでナポリ、ポンペイ、フィレンツエ、等色々な所へ行ける。スリも多く、パリと同様に要注意。
最後にヨーロッパは遠いです。少しでも若くて、体力のある内に行くことをお勧めします。「大きなお世話だ」と言うような昔のお嬢様方の声が聞こえてきそうですが・・・。
諸先輩、後輩、御同輩の方々のご健康とご活躍を祈りつつ筆を置きます。
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