北欧は白夜の季節を迎えます 子どもとミッドサマーのパーティーで。 頭に変な飾りをつけられているのはそのためです。 花の冠は野原にある7種類の花を集めてつくります。 7種類の花を枕の下にミッドサマーの夜に敷いて寝ると 将来結婚する相手が夢の中に出てくると言われています。 白夜、福祉国家、デザイン家具、ノーベル賞、ヴァイキング、永世中立国、スウィーディッシュポップス・・・そしてIKEA・・・あら、こんなもの?? 日本で知られている 「あっ、これってスウェーデン。」を代表する言葉を考えてみました。 スウェーデンに住んでいますと言うと、「スウェーデンってドイツ語?英語?」と日本では9割近くの人に尋ねられます。地図の上のグリーンランドもしくはアイスランドを指差し、「・・ここ?」最悪の場合英国を指差して「ここだったかな。」・・・そんなマイナーな国、スウェーデンはマルメ市に住んで早いもので8年が経とうとしています。 スウェーデンと言えばストックホルム・・という感じかも知れませんが、マルメ=カーディガンズ、ズラタン・イブラヒモビッチと言うと「あぁ〜」と思われる方もいらっしゃいませんか?・・マニアックですか? 北欧デザイン(特にスウィーディッシュデザイン)の お店がごろごろしてます。 そしてたいていそこには日本人が集中してます。 もう夏が来ようとしていますが、ここはまだ気温的には日本の4月くらいでしょうか。「今日は暑いねぇ!!」と言う感じで20度くらい。 「今日は肌寒いなぁ・・。」と言う感じで12度あたりです。 日本みたいに日中と夜間との気温の差があまりないので割りと過ごし易いです。 夏は白夜になるのでここ南スウェーデンでも夜の10時半辺りに日が沈みはじめます。夏至のころには一晩中ぼんやりと薄明るい感じです。北スウェーデンのほうではずっと日が沈みません。 冬はまったく逆で・・・。考えるだけで憂鬱になるので省略させてください。 Welcome to Malmo! マルメ市はスウェーデンの一番南に位置する都市で、西側にははカッテガット海峡を挟んでデンマーク、南側にはバルト海を挟んでドイツが位置します。 お隣のデンマークの首都コペンハーゲンはここから対岸に見えるくらい近く、その間にはオーレスンド橋という国と国を結ぶめずらしい(そして戦争になるととてもリスキーな)橋でつながっています。 岡山っ子(もしくは元岡山っ子)のみなさんにとってもわかりやすい例で言うと、児島と坂出を結ぶ瀬戸大橋みたいなものです。 その橋のおかげでここマルメからコペンハーゲンに行くのにも電車(わかりやすい例:マリンライナー)で20分程度となり、スウェーデンに住みながらデンマークで仕事をする人々が増え、スウェーデン(もしくは北欧)の中で一番国際的な街でもあります。 気温がマイナスであろうが、雪が積もっていようが 子どもは外で毎日遊びます。 私はここに来てからまず通訳や翻訳の仕事をして、その後1年間集中的にスウェーデン語を大学で学んでから今の勤め先(スウェーデン・ルンド市)を本拠地とする携帯電話会社でIT関係の仕事をしています。 2004年に結婚をして2005年に長男が誕生。今はお腹の中にまだまだ小さい次男もしくは長女予備軍が存在します。子どもも2歳になったので秋(8月)から保育園へ行かせることに。・・・この部分読まれてどういう感想をお持ちになられましたか? A.2歳になったばかりで保育園?早いね。 B.遅いな。 C.別に何も思わなかった。 日本ではAの反応が多いです。でもスウェーデンではB。 「フリーセックス」という言葉があり、男女に差のない社会ってことで、お母さんが子どもの世話をするために家庭に入るということがない社会なので、子どもが6ヶ月から1歳くらいになると同時にお母さんは仕事に戻ってしまいます。その後お父さんが育児休暇を取るので子どもが保育園に入る年齢としては1歳頃が普通のようです。 私は日本とスウェーデンの中間を取ってこどもがせめて2歳になるまでは子どもと家にいようと決めました。 スウェーデンではお父さんもお母さんも仕事してお金を稼いで、家事をして、子育てして、自分の時間も見つける。それが当たり前なんです。 よくあるスウェーデン人の休日の過ごし方。 自然または太陽の下でのんびりピクニック。 対岸はデンマークの首都コペンハーゲン。 スウェーデン人に関してのイメージはどんな感じですか? 長身で金髪。・・ん〜、そのとおりです。典型的な「白人」の外見。 中身は?「おおげさなゼスチャーで自分の意見を主張する。」−いやぁ〜残念、不正解です!正解は「シャイでNOというのが大変苦手で『ん〜・・そうだねぇ・・でも・・・そうだよねぇ・・。』なんて言っている間にいやな仕事を押し付けられたりしてしまう。」でした。 つまり、日本人にとっても似ているんです。(注:女性はものすごく強いです。)すこしノスタルジックかつメランコリックな雰囲気の漂う街の感じも「西洋の日本」という感じがすると言っても過言ではないかも知れません。 街から出るとこんな田舎風景が一面に広がります。 この間まで兄夫婦が初めて私たちを訪ねてきてくれていました。たった10日間の滞在だったのですが、「何を見せようか??」と悩みました。 なんせ日本のような観光地や遊び場がほとんどない。あるのは自然、自然、自然。 ずっと岡山駅周辺で暮らしてきた私の毎日は騒音・人々の声・お店から流れる音楽に囲まれていました。唯一割と静かな時間帯、夜中あたりでも耳を澄ましていると、岡山駅からの構内アナウンスが聞こえてくるといった状態。 スウェーデンに来てあまり音のない世界に戸惑ってしまいました。夜なんか全く眠られなかったり。 街の中にも自然がいっぱい。 子どもが遊べる場所はどんな街中であろうと あらゆるところに確保されてます。 でも今ではそんな生活になじんでいて、夜に窓を開けていて白夜でまだ明るい中、遅くに外で遊ぶ子どもたちの楽しそうな声を聞いて、朝日高の階段校舎の教室の中にいて聞こえてくる野球部の練習する音を思い出したり、近所の並木道を散歩しているときにやわらかい風を受けて、登下校に通った旭川と岡山城沿いの砂利道を自転車でこいだときの風の感じを思い出したりします。きっと朝日高時代の私が日本の生活の中で一番幸せだったからなのでしょう。 いろんな思い出もたくさん作ることができましたし、たくさんの友達に会い、こんな辺鄙なところにいる私と今でも連絡をとってくれるとても大切な友達にも出会えました。私は人生のうちで一番多感で大切な時期を朝日高で過ごせて本当によかったなと思います。 朝日高卒業生のみなさまも「あ、私もそうだよ。」って思われたらなぁと願います。 最後に、みなさんが平凡であろうと退屈であろうと刺激的であろうとそしてたとえどこにいようとも、毎日の生活の中で、ほんの小さな幸せを感じられていますように心から願います。