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国内で活躍する同窓生(敬称略)
浜崎 充彦 (三介) (昭和30年卒) 岡山県在住

30会 海外旅紀行アラカルト

 約10年前から2年毎に、会員(朝日高校30年卒業同窓生)有志による1週間の外国旅行を試みている。
毎回20名前後の参加を得て、平成18年までで5回を数える。

 以下は、筆者が各回特に印象に残った風物を記したものである。
 ホテルは★★★以上、食事は量より質、強行軍を控える、をモットーにしている。
出発
第1回、ニュージーランド(平成9年11月)
・4日目

 世界屈指のトレッキングコースに挑む。脚力とスケジュールからルートバーントラックの日帰りコース。
それでも片道数キロの往復は、慣れないときつい。ダウンしたら、その場で休んでおれば拾ってもらえる仕組み。
パンと飲み物をチャーターして出発。

 ガイドは地元の若者。どこで習ったのか日本語が達者。植物の知識も豊富。道はよく整備され、谷川にかかる橋も頑丈。少し長いのは、一人ずつとの注意書き。所々ボランティアらしき人が整備中。

少し長い橋は一人ずつ


 行くほどに雨。年間雨量はかなりだから、雨具は用意している。が、谷水は増え、滑り易い。次第に各自の脚力の差が出て、列が長くなる。うっそうとした森が続くので、迷子にならぬよう気を配る。

 三時間ほどで山小屋到着。時は昼、持参の弁当で英気を養い、遅くならぬ内に帰路に。
幸い落伍者なく、無事に予定コースを完歩。
海辺でないので風景に見るべきものはないが、清々しい大気を存分に味わう。
 明日はオークランドの海。
十月の春を迎へし山肌に        
  ニュージーランドの息吹捉へて  三介


第2回 スイス(平成12年9月)
・2日目

 グリンデルワルドから登山電車に乗り換えて目指すは、ヨーロッパアルプスの絶景を傘下するユングフラウヨッホ駅。
実は一か月前に、似た電車の火災という人身事故があり、悪夢がよぎる。意をよそに長いトンネルを抜けると、そこは別世界。三千四百米と思えぬ高所にその駅はあった。
よくも建てたり、よくも掘ったり。駆け足で展望台へ。ここから望む景観は・・・

 登山家でもないのにこの場に立てるなんて。神々しき純白のヴェールが眼下に広がる。有名なアレッチ氷河が、永遠の白銀を描いて流れ落ちる。そこを縦走する人影も蟻のよう。
寒さに耐えきれず戻った売店で、アルプス写真入りのTシャツを求める。脇の真赤なポストが印象的。

 
 クライネシャイデックに下り、ここから素人向きのトレッキング。ユングフラウ、メンヒ、アイガーと四千米級の山々を横目に、細い道が続く高原を進む。快晴、空気も澄み、まさに手を伸ばせば届く位置に三氷壁が連なる。
二千米の高地を、汗をかきつつ一時間の行程はなだらかで、ハイジがどこからか現れそう。この場での演奏を夢にみた「エーデルワイス」をハーモニカで奏で、通りすがりの外人の拍手を頂く。
 明後日はモンブラン。
山男が命捧げしアイガーは
白く動かず異郷の民に  三介


第3回 北欧四カ国(平成14年8月)
・2日目

  その朗報が入ったのは、出発半月ほど前。旅行会社からの連絡で、二〜三万くらいで予約できるがどうか、と。参加者の意向を聞く余裕はなく、独断で申し込む。ノーベルディナー(ノーベル賞受賞者の晩餐会と同じメニューで食事ができる)の話。ただし、全員の席の確保は未定と。一人でも欠けたらキャンセルと祈っていたら、出発直前にOK、ブラボー。服装は、女性はスカートであればよいが、男性はスーツにネクタイが原則だと。

 当夜、それぞれに着飾った面々が案内人に導かれて会場へ。そこはストックホルム・シティホールの豪奢な一室。中に一人、ネクタイのないのがいて心配するも、お咎めなし。一同神妙に座して、歴史的な会食が始まる。垂涎の方々のために当時のメニューを一部だけ紹介しておこう。
 ロブスターとカリフラワーのサラダ
 ガチョウの肝・アスパラガス詰込みウズラ
 シャンパンやコーヒーの香に至福を感じつつの北欧の一夜。
 明日はノルウェーへ。
ノーベル賞の晩餐会もかくありと   
豪華な皿が輝きて待つ  三介

第4回 カナダ メープル街道(平成16年10月)
・4日目

 
 ケベックよりバスでメープル街道を南下、ローレンシャンに。
バス道の両側は行けども紅葉が続き、そのスケールたるや。モミジとやや異なる趣。一言で言えば、多彩。
山中の山小屋風のレストランの入口で、メープルシロップの採取法などの説明を受けて入るも、客はほとんど日本人。ジャズ風の生演奏のなか地元の昼食を頂くが、まったく記憶に残らないほどの喧噪。ほうほうの体で逃げ出す。

 食後はトランブランへ。この景勝地のロープウェイに揺られて、10分ほどで山頂へ。ここより俯瞰する様々なメープルも、絶妙。偶然、身体障害者の車椅子群団に遭遇。こういったことに興味を持つ筆者は、周囲の待遇をさりげなく観察。二〜三〇騎はあったろうか、介護者はいるが何しろ山道。行き交う人たちが進んで手を貸す。ゴンドラ乗降も一つに一人ずつ乗せては固定するため、かなりの手間。一般客は後回しだが、誰ひとり文句もなく長蛇の列。出発時間に遅れそうになるも、何とか間に合わせる。
 明日はモントリオール市街見物。
紅葉のメープル街道突き抜ける
バスは小さく小さく融けて  三介


第5回 ギリシャ エーゲ海(平成18年9月)
・4日目
 クルーズ最終日は、待望のサントリーニ島。
朝日を浴びるマリンブルーの中、薄墨を刷いたようにそれは浮いている。台地のような島。

 港からバスで数十分、フィラの町に。
道すがら白亜の家が並び、ところどころに教会らしき建物の、海の滴を添加したごとき丸屋根が目を引く。
 細い白い道を辿って、名ある教会の前に。周りには小さな土産売りの店・店。ピスタチオ、一キロの袋が千円だがあまり美味しくはない。テレビで見たレースの服を何着か頼まれていたが、なかなか見当たらず。やっと見つけた店の老マダムと値段交渉。何しろギリシャ語しかわからない小母さんだから始末が悪い。時間がないので?万円相当を置いて出るが、得したのか損したのか。

 道を下って船着き場まで。
いささか疲労するも、わが脳細胞には青と白がいつまでも交錯し続け、生涯消え去ることはないだろう。
 明日はアテネから、天空の聖地メテオラへ
エーゲ海の輝く藍に包まれて   
白き舘が歴史を語る  三介
メテオラと筆者
      

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