その朗報が入ったのは、出発半月ほど前。旅行会社からの連絡で、二〜三万くらいで予約できるがどうか、と。参加者の意向を聞く余裕はなく、独断で申し込む。ノーベルディナー(ノーベル賞受賞者の晩餐会と同じメニューで食事ができる)の話。ただし、全員の席の確保は未定と。一人でも欠けたらキャンセルと祈っていたら、出発直前にOK、ブラボー。服装は、女性はスカートであればよいが、男性はスーツにネクタイが原則だと。
当夜、それぞれに着飾った面々が案内人に導かれて会場へ。そこはストックホルム・シティホールの豪奢な一室。中に一人、ネクタイのないのがいて心配するも、お咎めなし。一同神妙に座して、歴史的な会食が始まる。垂涎の方々のために当時のメニューを一部だけ紹介しておこう。
ロブスターとカリフラワーのサラダ
ガチョウの肝・アスパラガス詰込みウズラ
シャンパンやコーヒーの香に至福を感じつつの北欧の一夜。
明日はノルウェーへ。
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ノーベル賞の晩餐会もかくありと
豪華な皿が輝きて待つ 三介
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第4回 カナダ メープル街道(平成16年10月)
・4日目
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ケベックよりバスでメープル街道を南下、ローレンシャンに。
バス道の両側は行けども紅葉が続き、そのスケールたるや。モミジとやや異なる趣。一言で言えば、多彩。
山中の山小屋風のレストランの入口で、メープルシロップの採取法などの説明を受けて入るも、客はほとんど日本人。ジャズ風の生演奏のなか地元の昼食を頂くが、まったく記憶に残らないほどの喧噪。ほうほうの体で逃げ出す。
食後はトランブランへ。この景勝地のロープウェイに揺られて、10分ほどで山頂へ。ここより俯瞰する様々なメープルも、絶妙。偶然、身体障害者の車椅子群団に遭遇。こういったことに興味を持つ筆者は、周囲の待遇をさりげなく観察。二〜三〇騎はあったろうか、介護者はいるが何しろ山道。行き交う人たちが進んで手を貸す。ゴンドラ乗降も一つに一人ずつ乗せては固定するため、かなりの手間。一般客は後回しだが、誰ひとり文句もなく長蛇の列。出発時間に遅れそうになるも、何とか間に合わせる。
明日はモントリオール市街見物。
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