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国内で活躍する同窓生(敬称略)
坂本 久(昭和49年卒) 香川県高松市在住

  香川県庁21Fから高松港方面を望む

 四国は香川県高松市から近況報告をします。
 高校を卒業して30年余り、高松に住んでから25年が過ぎました。私が高松に来た当時は、四国に渡る交通手段といえば、岡山から宇野を経由して連絡船かフェリーに乗るルートが主流でした。現在でもフェリーは健在ですが、瀬戸大橋を経由してJRのマリンライナーに乗れば岡山―高松間が1時間、四国内の高速道路もかなり整備されて、車を使った移動も時間が短縮されました。明石大橋を経由すれば、関西方面への車を使ったアクセスも便利になりました。
 高松市内も、JR高松駅から高松港周辺が「サンポート高松」として生まれ変わり、高層ビルも増えて、だいぶ様変わりしました。といっても決して大都市ではありませんから、少し郊外に出ると昔ながらの風景や自然も多く残されています。


カケうどん+天ぷら
昼食どきのうどん屋
 香川といえば「讃岐うどん」が有名です。近年、全国的に知名度を上げて、本屋やコンビニなどにも有名うどん店マップが多数出回っています。(県のHP、観光振興課のサイトでも紹介しています。)私自身は、あまりうどん通とは言えませんが、早い・安い・旨いの3拍子そろったうどんは、サラリーマンの昼食の強い味方です。讃岐うどんと一口で言っても、店によって麺の太さやコシの強さに違いがありますし、釜揚げ・かけ・ざる・・・など、食べ方によっても食感が違います。香川に立ち寄られることがあれば、いくつかの店で食べ比べをしてみてください。お昼時なら、地元の人が列を作っているようなセルフの店に入り、見よう見まねでシンプルな「かけうどん」や「ぶっかけうどん」などを食べれば、おそらく安くて旨いうどんが食べられるはずです。

 高松空港タケノコメバル展示会場にて
 私の仕事についても少し紹介しておきます。30年以上も前、なんとなく海のロマンに憧れて水産学部に進学したのがきっかけで、現在は、水産技師として香川県の職員をしています。
 これまでの25年間の勤務のうち、15年間は水産試験場の研究員として、残りは水産課の行政マンとして、大半は「栽培漁業」とか「水産増養殖」といった分野に関わってきました。簡単に言えば、海の資源を増やすために魚の稚魚を育てて海に放流したり、養殖の試験をしたりということが主体です。ヒラメ・クロダイ・マコガレイ・クルマエビetc.親の魚に卵を産ませ、ふ化した数oの仔魚に培養したプランクトンや人工餌を与えて数cmの稚魚に育てます。海に放流する際には、追跡調査用の標識を付けたりもします。時には漁業者と一緒に漁をしたり、稚魚を育てたり、資源を保護する手法について協議もします。

  サワラ

 最近のトピックスと言えば、「サワラ」と「タケノコメバル」でしょうか。
 瀬戸内では春の魚として有名なサワラですが、昭和60年前後をピークに漁獲量が激減し、7〜8年前にはピーク時の50分の1以下に減少しました。香川県は古くからサワラ漁が盛んで、地元漁業者の強い熱意もあり、国や他の府県にも働きかけて、現在ではサワラ資源の回復に向けた一大プロジェクトが進んでいます。私たちも、国の機関と協力し、他県に先駆けてサワラの人工授精や放流事業に取り組んできました。

  サワラの採卵

 調査船で夜の海に出掛けて、漁船から獲れたばかりの親魚をもらい、船の上で人工授精を行います。これを使って種苗生産が行われ、陸上の水槽で全長4cm程度の稚魚が育てられたあと、さらに放流効果を高めるため、海面施設などで中間育成を行い、10cm程度の大きさにして海に放流します。稚魚の放流だけでなく、漁業者たちの漁獲制限についても、関係府県間で協議を重ね、ここ数年で資源量は増加傾向にあります。皆さんが、最近、口にされたサワラの中には、香川県で育てられ放流されたものが混じっているかもしれません。

  タケノコメバル

 一方のタケノコメバルは、あまりなじみのある名前ではないかもしれません。この魚も、昭和40年頃まではごく普通に見られた魚のようですが、その後激減し、最近ではほとんど姿が見られなくなりました。メバルの仲間としては大型の魚で、大きいものでは全長40cm、体重1kgにもなります。比較的浅場の藻場周辺で生息しているので、釣りをされる方には人気の魚のようです。このタケノコメバルも、香川県の水産試験場で種苗生産の試験を重ね、稚魚の放流や養殖の試験が行われています。私も同僚たちと共に、飼育に携わってきました。近い将来には、皆さんの食卓にも姿を見せることができるのでないかと期待しています。

 マスコミに取り上げられることもありますので、サワラやタケノコメバルの名前を聞くことがあれば、水産試験場の仕事ぶりも見てやってください。残念ながら、私自身は突然の人事異動で4月から水産試験場を離れてしまい、少し違った視点から水産に取り組むことになりましたので、姿を見せることはないと思いますが・・・


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