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世界で活躍する同窓生からのメッセージ(敬称略)

藤原 真一 (昭和48年卒) ドイツ・デュッセルドルフ在住

                                 
デュッセルドルフのアルトシュタットにて
ライン河畔からグーテンターク
 
皆様お元気でご活躍のことと存じます。藤原真一です。
 
昭和48年に卒業してから早いもので30年が過ぎました。大学卒業後は、新日本製鉄に昭和53年に入社し、8回の転勤の中でいろいろな部署を経験しましたが、現在は欧州事務所長として平成13年からドイツのデュッセルドルフに暮らしています。あっという間に2年が過ぎてしまいました。
 
ドイツには48年に大学入学後直ぐに訪れる機会がありました。夏休みにボン大学でドイツ語のサマースクールに参加ました。その後ドイツという国を比較的強く意識しながら、勉学し、就職も考えました。大学を一年留年したときも、東京のドイツ語学校に通って、会話のトレーニングを結構一生懸命やりました。
 
ところが、皮肉なことに、会社に入ってからは、25年間全くといっていいほどドイツとは無縁の仕事と暮らしが続きました。一度だけ、ドイツへの留学のチャンスがあったのですが、これも上司からアメリカにしないと推薦しないと「脅かされ」、米国にサッサと鞍替えしました。
 
ドイツ語が頭の中で全く錆付いてしまった頃、急に「ドイツ勤務を命ずる」という辞令が渡され、驚きと戸惑いの中で私と家族のドイツ生活がスタートしたのです。そんな藤原家のドイツでの近況をご紹介いたします。
 
私の家族は、家内と長男、長女の4人です。まだ子供たちはチビで、長男が7歳、長女が4歳です。子供が小さい分だけ、教育についてあまり心配も無く当地に連れてくることができました。デュッセルドルフは日本人コミュニティがしっかりしていて、日本人幼稚園も日本人学校もあります。本来、日本人幼稚園でよかったのですが、敢えて2人とも現地の幼稚園に通わせました。長男は、この8月からインターナショナルスクールに通い始め、ドイツ語の生活から英語の生活へと再チャレンジ中です。
 
デュッセルドルフのライン河畔にて:家内と子供達

最初は、言葉が通じないことから、子供たちだけでなく、親も孤独感やフラストレーションでいろいろと苦しんだのですが、2年経ってみると、現地の友達も増え、十分とはいえないもののコミュニケーションも一通りできるようになりました。英語もドイツ語もできなかった家内も、当地に来たばかりの頃は、日本に帰りたいと泣きべそをかいていたのに、今は「こんなに緑豊かな生活環境は日本に帰ったら味わえないよネ。」と、平気な顔をして話しながら、週2回のドイツ語学校に楽しそうに通っています。
 
私はといえば、一年間のうち100日以上は出張が入り、家を空けることが多いのですが、その分、家にいるときは家族と一緒に楽しむように心がけるようになりました。日本では、殆どの週末はゴルフばかりして、家族のヒンシュクを買っていたのですが、こちらでは年に3回程度に減りました。ドイツのゴルフ人口が少ないことも理由の一つでしょうか。月に一度のペースで、家族皆で近隣の町や国(ベルギー・オランダなら車で1時間)をドライブすることを目標としていましたが、この約束はナカナカ果たせません。
 
ルール川を望むレストランにて
ここでボートを漕いでいます

また、高校・大学とサッカーをしていたので、こちらでサッカーを楽しめるかなと思っていたのですが、さすがにこの歳になるとやる気がおきません。その代わりというわけではないのですが、40歳を過ぎて始めたレガッタ・ボートをほぼ毎週末楽しんでいます。ライン川の支流のルール川で、片道7キロを仲間と往復します。ドイツはボートが非常に盛んで、我々のシニアチームには最高年齢78歳の人もおり、老いも若きも人生をエンジョイする術の一つとして定着しているのです。ちょっと余談ですが、「ルール」と言えば工業地帯と高校の地理か何かで習ったことを皆さん覚えてらっしゃると思いますが、このルール川はその中を流れているにもかかわらず、緑豊かで、水鳥も遊ぶすばらしい環境です。岡山で言えば、旭川の上流のイメージでしょうか。
 
新しい発見もありました。その最大のものはドイツワインです。日本では、ドイツワインといえば、おそらく「一級」という評価は無いと思います。当たり前のごとくフランスの方が上という評判だと思いますが、ドイツに来てみると、本当に美味いワインは地元でしか手に入らないことがわかりました。ドイツのワイン畑は、一般的に地形が非常に複雑なことから、同品質のワインの収量が限られているそうです。そのため、おいしいワインは地元で殆ど消費され外に出て行かないのだそうです。実際、訪れた町でお勧めワインを飲んでみると、甘口でも辛口でも本当にまろやかで芳醇な味わいを楽しむことができるのです。決してフランスに引けを取りません。出張だけでなく、家族とドライブに行ったついでにその町の地のワインを味わうというのが、ワクワクするような楽しみの一つになりました。子供達からはお酒臭いと嫌われていますが、これだけは譲れません。
 
長男の誕生パーティ:友達も一杯できました

いろいろと取り留めの無い近況報告となってしまいました。一言で申し上げると、私にとって、ドイツでの新しい生活は、長い年月を経た後の昔の恋人との再会のようなメンタリティを覚えます。高校時代に想いを寄せていた○○さんにもし今会えたなら同じような感傷を覚えるのではないかなと感じています。(女房には内緒…)
 
心のノスタルジックツアーを執筆させていただけたことに感謝しつつ、筆をおきたいと思います。皆様お元気でご活躍ください。ドイツにお越しの際には、ご一報ください。
 
PS. 仕事の話で恐縮ですが、現在デュッセルドルフ日本商工会議所の会頭も拝命しておりますので、欧州進出をお考えの方のお手伝いもできるかと存じます。その節は、ご遠慮なくご相談ください。
 
連絡先: E-mail fujiwara@nsceurope.de

 
岡山朝日高校同窓会公式Webサイト