● 写真で綴る朝日高校最新ニュース ●

朝日高校に関連したニュース・出来事を中心に撮影した記録です

全国高校野球岡山大会 平成15年7月21日 第2回戦は惜敗  朝日 1−6 玉野光南  於 倉敷マスカットスタジアム
全国高校野球岡山大会 野球部員の夏 平成15年7月17日 第1回戦は快勝  朝日 10−3 瀬戸 於 岡山県営球場
全国高校野球選手権岡山大会 岡山朝日高校野球部の夏
野球部 二年 藤原 暢洋

 県営球場の右中間へと高々と舞い上がる白球。夏の大会の初戦、岡山朝日対瀬戸高校の試合の始まりを告げるには十分過ぎる瀬戸の先頭打者の一打だった。

 前評判では五分五分とされていた。相手ピッチャーの評判も悪くなく、決して侮るべき相手ではない。
常に監督は言われていた、「絶対という言葉はない。」と。
 先輩誰一人としてなめてはいなかった。打てると思うと打てない、打つとだけ考える。勝てると思うと勝てない、勝つとだけ考える。これも常に監督が僕らに言っていた事だ。

 それにしても一回の表に刻まれた【2】の数字は少なくとも僕には大きく見えた。僕の中で不安と焦りが肥大していく。しかしベンチの中は違った。先輩はみんなプラス思考だった。「よく抑えた。まだ始まったばっかりだ。」と。その効果が現れたのが2回の裏だった。5連続四死球や奥川さんの走者一掃の二塁打などで5点を取って勝ち越した。活気が満ちてくる。先輩は野球を楽しんでいた。

 その後も何度も危ない場面はあった。あとで監督に「これまでの公式戦の中で一番疲れた。」とまで言わせたほどだ。それほど緊迫していて、善戦だった。ピッチャーの梅田さんはよく粘った。守備もまたピッチャーを助け、チームがひとつになり戦っていたと思う。

 そして8回の裏、最後は相手ピッチャーのワイルドピッチで7点差のコールドになり勝ちが決定した。僕は鳥肌がたった。これが勝つことの喜び、誇り、感動なのかと思うと、この瞬間を一緒に味わえた先輩に感謝の気持ちでいっぱいになった。この校歌を歌うために今までのきつい練習に耐えてきたのだ。高校野球はだから楽しい。

 Aシードの光南の横を引いた山田さんが僕たちにそのことを報告した時に顔に曇るところはなかった。他の先輩もまた同じだった。最後にやってやろうという気持ちが十二分に伝わってくる。ただ二年生の一部が修学旅行に行けなくなった事に残念そうな顔をしていた。しかし僕は修学旅行とかそんなことよりも先輩達と一日でも長く一緒に野球がしたい。次の光南戦でも朝日高校野球部の持ち味の元気とガッツで感動をもう一度。
                                

 
岡山朝日高校同窓会公式Webサイト