勉学と部活動で、日頃はゆっくり考える機会の少ない生徒達にとって「生きるために不可欠なもの」とは何かを、改めて具体的に考えてみる絶好の機会を養老先生が与え、示してくださったものと考えています。
「人は自分が変わらないものだと思いがちだが、本気で生きていると人は変わるものだ。相手を変えようとすることにこだわってはいけない。自分自身を変えればいい。」などと述べておられました。
先生の講演中の様子や講演後の感想などから推察すると、朝日高校の生徒諸君は養老先生に大変、気に入って貰ったように受止めました。
今回は講演会に加えてピアノコンサートを催したところ、終演後イリーナさんへの評判が極めて高く、母校関係者だけではなく一般聴衆のかたがたからも「素晴らしくよかった、本当に感動しました、よい文化に接しました、キラリと輝く音色に陶酔しました。」などお世辞抜きでお褒めの言葉を数多くいただきました。
ショパンの「子犬のワルツ」「別れの曲」「革命のエチュード」メンデルスゾーンの「厳格な変奏曲」ほか比較的ポプュラーな曲を演奏し、途中、解説やトークを交え生徒からの質問にも日本語で丁寧に答えていました。
繊細なタッチの中にも情感豊かな音色を奏でる一方、あの迫力ある力強さに感動を覚えた聴衆が多かったようです。
品位と知性に溢れる姿勢に加え、当意即妙に満ちた児玉清氏の司会振りに聴衆の皆さんから数多く絶賛の声をいただきました。日本語に若干、不自由なイリーナさんの不安感を上手く取除きながらトークを縮めるなど終始、全体の円滑な進行に配意した司会でありました。児玉氏の司会は将にこの会の成功に錦上花を添えていただきました。
講演終了後も大勢の生徒を相手に長時間、丁寧に声をかけ励ましながらサインに応じている光景が印象的でした。 |