● 29会主催講演会と演奏会 ●

Lecture and Piano Concert
朝日高校昭和29年卒業生50周年記念
講演とピアノコンサートの会


 私どもは、昭和29年に伝統ある母校の学窓を巣立ち、本年記念すべき卒業五十周年を迎えました。
 対内的には、本年4月に同窓会会長、同理事長および恩師をお迎えし、全国各地から諸兄姉145名が後楽園内「鶴鳴館」に集い、大いに旧交を温めることができました。
 一方、対外的には卒業40周年の五木寛之講演会に次いで、卒業50周年記念として後輩の在校生諸君に向けて何ができるか、皆で一所懸命やってみようではないかとの熱い想いが持ち上がり、具体的な検討を重ねることとなりました。
 その結果、今回は標題の通り「講演とピアノコンサートの会」を次のとおり計画し、コンセプトは「知識と感動」を掲げました。

日 時 平成16年10月4日(月) 開場12時 開演13時 終演16時
場 所 岡山シンフォニーホール 大ホール
講 師 養老孟司氏 (東京大学名誉教授 解剖学者)
    演題「生きるために不可欠なもの」
イリーナ・メジューエワさん (ロシア出身のピアニスト)
司 会 児玉 清 (俳優)
来場者 1,900人
主 催 岡山朝日高校29会
後 援 岡山朝日高校同窓会 山陽新聞社(株)朝日出版社

出演者の感想

養老孟司氏


 朝日高校生徒達の目の輝きに感心され、また、生徒達の意識のレベルは極めて高いとおっしゃっていました。(朝日出版社 担当編集長談)
ついては、生徒達の感想も是非、聞いてみたいとの養老先生からの要望があったので生徒達からの養老先生宛てメールを朝日出版社で受け付けることにしました。生徒諸君から多くのメールを頂きました。養老先生には必ずご覧になっていただくように整理中です。

イリーナ・メジューエワさん


 立派なホールで気持ちよく演奏でき、本当に嬉しく存じております。お聴きいただいた朝日高校生徒の皆様がたに、この上ない感謝の気持ちで一杯です。

児玉 清氏


 朝日高校には優秀な生徒が多いように思います。楽屋で多数の生徒とサインをしながら会話を交わす中で、そのように受け止めてくれたものと思います。


主催者側の感想

 勉学と部活動で、日頃はゆっくり考える機会の少ない生徒達にとって「生きるために不可欠なもの」とは何かを、改めて具体的に考えてみる絶好の機会を養老先生が与え、示してくださったものと考えています。
「人は自分が変わらないものだと思いがちだが、本気で生きていると人は変わるものだ。相手を変えようとすることにこだわってはいけない。自分自身を変えればいい。」などと述べておられました。
先生の講演中の様子や講演後の感想などから推察すると、朝日高校の生徒諸君は養老先生に大変、気に入って貰ったように受止めました。

 今回は講演会に加えてピアノコンサートを催したところ、終演後イリーナさんへの評判が極めて高く、母校関係者だけではなく一般聴衆のかたがたからも「素晴らしくよかった、本当に感動しました、よい文化に接しました、キラリと輝く音色に陶酔しました。」などお世辞抜きでお褒めの言葉を数多くいただきました。
ショパンの「子犬のワルツ」「別れの曲」「革命のエチュード」メンデルスゾーンの「厳格な変奏曲」ほか比較的ポプュラーな曲を演奏し、途中、解説やトークを交え生徒からの質問にも日本語で丁寧に答えていました。
繊細なタッチの中にも情感豊かな音色を奏でる一方、あの迫力ある力強さに感動を覚えた聴衆が多かったようです。

 品位と知性に溢れる姿勢に加え、当意即妙に満ちた児玉清氏の司会振りに聴衆の皆さんから数多く絶賛の声をいただきました。日本語に若干、不自由なイリーナさんの不安感を上手く取除きながらトークを縮めるなど終始、全体の円滑な進行に配意した司会でありました。児玉氏の司会は将にこの会の成功に錦上花を添えていただきました。
講演終了後も大勢の生徒を相手に長時間、丁寧に声をかけ励ましながらサインに応じている光景が印象的でした。

朝日高校生徒諸君の協力

 朝日高校全生徒のうち病欠者などを除き殆どの生徒が参加したと聞いています。在校生と教師ほか学校関係者に予定した1階1,200席は満席となりました。

 在校生の一部の諸君に場内放送、花束贈呈、マイクの係り、ピアニストへの質問など総計9名の協力をお願いしたところ、快く引き受けてくれた上、その役目を充分に果たしてくれました。

 教務担当の中塚多聞先生には本行事にかかる校内の連絡、調整および生徒指導に格別のご配意とご尽力をいただきました。

終わりに

 私たちの50周年記念行事のうち、今回のイベントは対外的な最も大事な行事の1つとして位置づけてまいりました。そうした中で何よりも生徒諸君に喜んでいただいたこと、加えて私たちが頭に描いていたイメージに近いものが成し遂げられたのではないかと安堵の気持ちで一杯です。

 生徒諸君が「講演とピアノコンサートの会」から今回のコンセプトである「知識と感動」を自らの耳目で体得してくれたとすれば、私たち29会としてこれに勝る喜びはありません。

 この会の記念として全生徒に贈呈した養老孟司・島田雅彦共著「ネコのヒゲは脳である」の表紙の部分に目を通していただき、後輩諸君への私どもの熱い想いを汲みとっていただければ誠に幸いです。

(文責 三宅 彰)


 
岡山朝日高校同窓会公式Webサイト