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国内で活躍する同窓生(敬称略)
景山(山本)和代 (昭和43年卒)    東京都小平市在住

頭は低く目は高く喜びを分かち合う仲間を持つ喜び

我が家の壁画を見てマイセンペインターから祝福される

 朝日高時代は茶道部と美術部に籍を置き、よく六校記念館裏の池のあたりを写生していました。美大に行きたいな・・・と思いながらも、祖母が倒れて母と二人で介護をすることとなり結局岡山に残りました。

 美的趣味はいろいろ試みていましたが深く専念することなく過ごし、サラリーマンの夫に嫁いで子育てをする普通の主婦となりました。夫の海外赴任で日本をはなれて6年間、マレーシアに滞在し油絵、カッパークラフト、人形制作など有り余る時間を楽しみました。

 帰国後、東京に住むこととなったとき、時間に追われ、規約に縛られるあまりのカルチャーショックに自信を失った時期がありました。そこで自分改革のためのパートタイムの仕事を見つけました。

 それと同時に、非常に興味深い趣味(夫とパリに旅行した折に出会った趣味)を日本でも教え始めるという雑誌の記事を見つけ、応募しました。夫は家事と両立するならと許してくれながら、一時的なことだろうと考えていたようです。

 ところがどちらも止めるどころかどんどんのめり込んでいき、多くの海外の師にまで教えを乞うようになりました。そして、とうとうその趣味が仕事となり教室を本格的に持つようになりました。

 ヨーロピアンポーセリンアートという洋食器白磁器等にガラスの入った顔料で絵を描き、窯で焼きつけ、食器や装飾品などに制作する趣味です。友人数人から始めて、ブームとなった時期には100名ほどの教室となり大変でしたが、ました。現在は落ち着いて50名ほどの生徒を教えています。

 自分で描くだけでなく教えなければいけないと思うと、より一層の研鑽を積まなくてはと思います。また生徒さんたちの新鮮な感動を知るとき、それは私自身の新しいエネルギーとなって、次の作品へと向かう喜びとなりました。

 25年間、国内外の師に習い、交流を重ねてその技術を生徒に伝える。同じ楽しみを分かち合う仲間として多くの方々と集う喜びに、日々充実した毎日を過ごしています。

 2・3年に一度ほど作品展を生徒ともども楽しんで行っていますが、今年は6回目の展示会を丸善・丸の内本店ギャラリーで催しました。お蔭様で、非常に多くの方々の御来場を頂きました。この場を借りまして、朝日高同期会の方々のご来場に心よりお礼申し上げます。

筆者前列左端 筆者前列左から3人目

 3年前に1冊目の作品集を出版するに当たり、私のプロフィールを考えた時、これまでの人生を振り返りました。思えば10代の頃の岡山では恵まれた環境でした。左利きだった私は小学生時代、朝日高内の一角で河田一休先生にユニークな習字の手ほどきを受けました。

 高校時代、坂手得二先生には油絵を描く喜びを教えていただき、当時岡大教授でした野平昇先生のアトリエに友人と通っていたこともあります。 茶道指導の川浪先生には高校卒業後も数年間、ご自宅の茶室に通い、茶道の奥深さをお教えいただきました。

 自然に恵まれ、師に恵まれた朝日高学生時代、理想高き友人に囲まれながら、私自身はなんとなく漂うような女学生だったように思います。けれど、それら全てが現在の私の礎になっていると感じています。

セーブルペインターと共に 筆者は後ろ右側 ヘレンドペインターと共に

 ポーセリンアートへの始まりはヨーロッパ美術への憧れからでしたが、最近はその中に日本の美を表現し融合することに楽しみを広げています。まだまだ技術を磨いて、自分の可能性を極めたいと思う今日この頃です。

 岡山出身の彫刻家・平櫛田中氏の私邸は我が家のごく近くにあります。彼が百歳にして30年分の原木を買い求めたという逸話をご存知でしょうか。私はかの芸術家のようにはできませんが、人生常に前向きに生きると云うことを教えられているような気がしています。

作品集第二号

 今年は、2冊目の作品集を15年来の師である元ヘレンド・ペインターM氏とスタジオカズの有志の方たちと共に子弟を超えた作品集を出版しました。

 ところが、編集の最中に一生忘れることのない東日本大震災と原発事故が起こったのです。

 そのような中でも目標を1つにする仲間とともに出版・作品展開催へと漕ぎ着けたことは本当に幸せなことでした。そこで、苦しんでいる方たちのために何か私に出来ないかしらと考え、急きょチャリティー即売会およびチェンバロコンサートをも開くことにして、開催日までの2か月余り、小作品を出来るだけ多く描き続けてなんとか当日に間に合わせました。

 お蔭様でご来場の皆様のご協力により多くの作品を売上げることが出来ました。その全額を義援金とし、犠牲者の方々のもとへ一刻も早く届くようにと、一時期の夫の赴任先でした宮城県に直接送ることにしました。これからも何かの機会を設けて続けたいと思っています。

 千年に一度の災害に遭遇した私たちにとって忘れることのできない毎日です。 環境はその時その場でさまざまに変わっていきますが、これからも一期一会の出会いを大切に、また日常の平安を喜びとし、よりいっそう情熱をもって作品作りに打ち込んでいきたいと思っています。
 

ホームページアドレス  http://porcelainart-kaz.com/
 

   
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